※この記事は中級編になります。初級編をまだ読んでない方はコチラから→知識ゼロでも分かる!失敗しないインターネット回線の選び方【初級編】
中級編では、知識ゼロの方でも分かるように難しい部分は避けて書いた初級編では省いた専門的な事についても説明していこうと思います。
この記事は初級編の続きや補足になるので、前回の記事を読んで下さった方にとってはあまり難しくない内容になっているかと思います。
初級編では書かなかった自分に合ったインターネット回線の選び方について
初級編で書いた事は大きく分けて4つです。
- 住んでいる地域
- 戸建てorマンション
- 契約しているスマホ・携帯電話の会社
- 回線速度とプロバイダーについて
この4つで何が変わるかを説明しましたが、中級編では4.回線速度とプロバイダーについての部分をもう少し詳しく書いていこうと思います。
IPv6が利用できるかどうか
いきなり難しい言葉が出てきましたね。回線について調べたことのある方なら『目にした事はあるけど何の事か分からなかった』と言う方も居ると思います。
IPv6は簡単に言うと最新版のIP/IPアドレスのことで、従来のものはIPv4と呼ばれています。IPの後ろの部分にはバージョン4(v4)かバージョン6(v6)という違いがあります。
この2つは単純に4から6へバージョンアップしているので、IPv4で起きていた回線の混雑問題が無くなったり、より安定するようになった等メリットがあるのでIPv6をオススメしますが、IPv6にすればいいという訳ではありません。ここには大きな注意点が2つあります。
※大きな注意点についてはもう少し後で説明します。
(ちなみに、IPv5やIPv7と呼ばれるものもありますが、実用可能なのはIPv4とIPv6の2つです)
IPv6とIPv4の違い
IPv4からIPv6へ進化しましたが、一番大きな違いは所得出来るIPアドレス数の違いです。
インターネットの普及速度が凄い勢いで増加していますが『このままではIPアドレスが枯渇する』と数年前から問題になっていました。これについては数字で見ると一目瞭然です。
今の世界の人口が約78億人に対して、IPv4で所得出来るIPアドレスは約43億通りしかないんです。パソコン・スマートフォン・タブレット端末の普及、それも仕事用/学校用や個人用で分けられたりと、一人で複数のIPアドレスを所持していることも不思議じゃないので、このままいくと43億通りでは不足していて、いずれ尽きてしまいます。
一方、IPv6で所得出来るIPアドレスは340澗通りもあります。これだけの数あればIPアドレス数が尽きる事は無いでしょうね。
さらに、IPv4だと回線が混雑して安定しなかった問題がIPv6では解決できるんです。その理由が最新の接続方式IPoEの誕生で、ここが先ほど言った大きな注意点の部分も関係してきます。
※澗(かん)という単位は溝(こう)の1つ上の単位。
千→万→億→兆→京→垓→杼→穣→溝→澗
IPoE方式とPPPoE方式の違い
こちらの言葉もIPv6やIPv4と同様に『調べた時に目にした事はあるけど何の事かサッパリ』と思った方が多いと思います。
この2つはインターネットへの接続方式の事で、PPPoE方式が従来のもの、IPoE方式が新しいものとなっています。
従来のコンビと最新のコンビということで、分かりやすいようにPPPoE方式=IPv4とIPoE方式=IPv6という覚え方をしている方も居ますが、厳密に言うとPPPoE方式=IPv4/IPv6とIPoE方式=IPv6になります。
IPoEとPPPoEの回線速度について
PPPoE方式では最大1GbpsだったのがIPoE方式では最大10Gbpsも出せるようになっていますが、速度に関してはPPPoE方式で出せる1Gbpsもあれば全く問題ないぐらいなので、10Gbpsも引き出せるようになった技術が凄いって感じですね。
IPoEとPPPoEの回線の混雑について
PPPoE方式では認証IDとパスワードの設定が必要で、その作業を行うために通信機器を挟む必要があったのですが、IPoE方式ではその作業の必要が無くなった事により、回線の混雑が起きなくなったと言われています。
ここから少し難しくなります。
PPPoE方式はもともとイーサネット上で使う必要が無かったPPP方式の技術から『イーサネット上でも使えると良いよね』となって誕生した接続方式なんです。
PPPの後に付いているoEはover Ethernet(イーサネット)という意味です。
PPPoE方式(IPv4)だと回線が混雑していた理由が正にこの部分で、間に挟んでいる通信機器の部分にアクセスが集中することによって回線の混雑が起きていたんです。
IPv6にある大きな注意点について
IPv6にするには大きな注意点が2つあると言いましたが、1つ目はちょっとだけ説明にも出ていた、IPoE方式が利用できるのはIPv6だけですがIPv6はPPPoE方式も利用できるという点です。このことを知らないままの状態だと、IPv6にしてもPPPoE方式を利用しているので回線の混雑状況が変わらないという現象が起きてしまいます。
2つ目は、世界的に見てもIPv4からIPv6に完全に移行しきっている訳ではないので、インターネット上にあるサービスの中にはIPv6に対応しておらずIPv4でしか利用できないサービスもあるという点です。
現金と電子マネーのような感じと思えばイメージが付きやすいと思います。
電子マネーに対応出来ていない現金オンリーな地域もあれば、ほとんど移行しきって電子マネーオンリーな地域もありますよね。そのため、まだ移行しきっている訳じゃない電子マネー(IPv6)だけにして、現金(IPv4)は利用しないようにするのは、不安や問題がある方も居ると思います。
IPv6やIPoE方式デメリットの部分、大きな注意点について説明しましたが、そんな不安や問題を全部解決してくれる技術があります。それがIPv4 over IPv6です。
IPv4 over IPv6
先ほど挙げた大きな注意点の部分ですが、IPv4 over IPv6にはIPv6でありながらもIPv4限定のWebサイトにアクセスすると自動でIPv4に切り替えてくれる技術があります。
普段はIPv6/IPoE方式を利用して混雑しない回線を利用しながら、IPv6/IPoEのままでは開けないIPv4限定のWebサイトも利用できるということは、単純にIPv6のメリットはそのままでIPv6とIPv4の両方にあるデメリットを補えるので弱点がありません。
v6プラスというサービス名で紹介されていたりします。
まとめ
自分に合ったインターネット回線の選び方は初級編で説明した、住んでいる地域・戸建てorマンション・使用しているスマホ/携帯電話の会社・回線速度とプロバイダーの4つが分かれば失敗はしないと思いますが、その条件に合ったインターネット回線の中でも混雑しない回線を求めるのであれば、IPv6/IPoE方式が利用できるかどうかも考えて回線を選びましょう。
最後に
中級編まで読んで下さってありがとうございます。自分に合った回線は人それぞれなのでIPv4のままでいいという方はIPv4のままでもいいですし、IPv6に興味を持った方はIPv4 over IPv6がオススメです。
業者や代理店に全部任せるのも手ですが、自分に合った回線を利用したい!失敗したくない!という方は少しでも利用したい回線の条件を絞って、その条件に合った回線の中から紹介してもらうと失敗しないと思います。
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